全校生徒による災害訓練実施
2024.05.10
全校生徒による「災害避難訓練」を、5月8日(水)の6時間目終了直前に、新宿消防署・地域防災担当官2名の同席のもとで実施しました。
今年度も、震度6強の非常に強い地震が授業時間内に起こったという想定のもとで、各学年での点呼や具体的な避難のやり方などについての「型」を、生徒に体感してもらうことを大きな目的にしました。もちろん実際に災害が起こった場合には、その状況に合わせた臨機応変の指示と動きが要請されます。しかし、そうした「型破れ」の動きができるようになるには、まずは、本校における基本的な避難の「型」を、生徒、教職員とも身につけておくことが大切です。今回は、天候を考慮して、途中から「雨天バージョン」に変更して実施しましたが、生徒たちは緊張感をもって取り組んでいました。
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具体的な実施状況については、以下の通りです。
1,6間目授業終了5分前、緊急放送で、災害訓練の開始を連絡。今回想定した災害の規模と状況を全校生徒に説明し、「災害時の基本行動マニュアル」に沿って、行動するように指示。本日は天候の関係で、「雨天バージョン」に変更することを伝達。
<災害訓練スタート>
2,緊急放送終了後、「緊急地震警報」を流す。手順通りに前後のドアを開けて避難路を確保する「型」を確認。地震発生のカウントダウン。大地震発生。
3,10秒後、第1回目の緊急放送。
大型地震が発生したことを全校へ報告。余震への注意と校舎や避難経路の状況を確認するまで、その場に待機。まずは各自の安全を確保した上で、互いに周りの状況を確認し、各クラスでは代表者が点呼して人数を確認し、授業担当者に報告。今後の状況に応じた緊急放送を聞き逃さないように、私語は絶対にしないことを指示。あわせてこの時間帯に、教職員に対して「各階避難終了方式(最上階の生徒避難の終了を確認。下の階へ順次避難開始の伝達方式)」の最終確認者を、優先順位に基づいて決定する旨を伝達。
4,職員本部室に居合わせた教員と、地震直後に本部室への直行が可能だった緊急災害対策本部員、災害対策委員の教員が、手分けして各号館校舎の避難路の確認を行い、各号館からの安全を確認。
5,第2回目の緊急放送。現時点で全号館からの前庭とグラウンドまでの避難路の安全が確認され、避難開始の準備ができたことを伝達。
<ここから雨天バージョンへ>
6,各教室にいる生徒は、そのまま待機。それ以外のアリーナ、剣道場、柔道場、グラウンド、サイエンスセンターなど、選択授業、分割授業の生徒は、担当の先生の指示に従って、各HR教室に戻るように指示。生徒の点呼報告を集約した先生方は、本部室に、順次報告する旨を伝達。本日登校している生徒人数と欠席人数、安全確認を災害対策本部が最終確認。
7,新宿消防署地域防災担当主任・消防司令補から、今回の「雨バージョン」の災害訓避難訓練の総評と、今後の災害対策の留意点に関してのコメント。
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今年度の「全校災害避難訓練」は、全体を通して、生徒たちが訓練であっても前向きに取り組もうという姿勢で実施したとの印象を持ちました。
今回は、「雨バージョン」に訓練内容を切り替えましたので、グラウンド避難までは実施しませんでしたが、そこまでの生徒たちの様子を、お二人の新宿消防署地域防災担当官が、各号館に行って具体的に視察されていました。
最後の総評では、「雨バ-ジョン」であっても2000人という生徒たちが私語を慎んで、真剣に行動していた避難訓練の様子は、これまでの学校視察では、ほとんど経験がないほどの感銘を受けたとのコメントをいただきました。また、阪神淡路大震災や東北大震災の際の経験を踏まえ、最大のポイントは、自分の頭を柔軟に使って、とにかく自分の命を守ること。その1点のために、日頃から何をしていけばよいのかを家族とも考えあってほしいとのメッセージで、最後を締め括りました。
(海城学園 災害対策委員会)